2023年8月14日月曜日

Nゲージ車両改造に使う電線の話です

 先日のWebinarで「NゲージのDCC化改造に使うケーブルは何が良いか?」とのご質問をいただきましたので、いくつか事例をご紹介したいと思います。

まずは、電線の太さの種類(規格)について説明します。よく聞く「AWGxx」というのは、「American Wire Gauge」の略で、米国の安全規格に由来するものです。数字が大きいほど細くなります。

AWG商品取り扱い導体直径(断面積)参考:被覆外径最大電流(80℃の参考)
28仙石通商・秋月電子0.32(0.08sq)0.8〜1.4
32ESU Decoder cable,オヤイデ電気 
0.2(0.03sq)0.5〜0.5
36オヤイデ電気 
0.13(0.013sq)0.4〜0.2
38※UEW線(ラジオデパート)0.1-0.13
 
 ざっくりまとめるとこんな感じです。なお、最大電流は諸条件(許容温度、被覆の材質、放熱性など)に大きく依存します。
では太い方から順番に説明しましょう。
 


AWG28
ケーブルが太めで扱いやすい電線です。千石通商(地下で測り売りしているビニル電線)は価格も安く柔らかく爪の先で剥けるので便利です。秋月電子(住友電線イラックスA)のものは耐熱性が高いですが、曲げぐせがつけにくいです。当初EC-Slimでは千石通商の電線を使っていました。


 
AWG32
ESUのデコーダ(NANO,MICRO)に使っているケーブルの分売が該当します(商品の説明には「AWG36」と記載されているのですが芯線の太さからはAWG32に思えます)。また、オヤイデ電気のH-KVもありますが、ESUのものよりちょっと太く、また熱にも弱いのでESUがおすすめです。しかしながら、このケーブルは日本国内で見かけません。



AWG36
オヤイデの(MOGAMI)2706が該当します。被覆付きですが柔らかいです。ただ、被覆がゴムのようにもとに戻ろうとする性質があるので、ちょっと扱いにくいです。かなり細いので引っ張ると切れやすいです。
 


AWG38
AWG38は直径0.1mmと非常に細いケーブルです。UEWは絶縁が塗装膜の単線で、ポリウレタン電線、エナメル線と呼ばれる商品です。本来は電気配線ではなく、コイル、トランスを巻くときに使うものです。コイルでは、巻いた後に固定や異物混入、湿気侵入防止を目的に樹脂で固める(ワニス含浸という)をするのですが、模型の中の配線に使う場合には配線同士もしくはダイキャストフレーム等との接触にリスクがあると考えたほうがよいでしょう。これが原因でDCCデコーダを壊すのは勿体無いですから。
 
追記:
上記ケーブル以外に潤フロン電線(0.26mm,0.32mm)が使えます。単線なのでボディ、シャーシ間の配線には向きませんが、曲げた形を保持するので固定配線に使うにはESUなどのケーブルより便利です。ただ表面が銀メッキなので古くなるとはんだが廻りにくく、きちんとついているかわかりにくいです。
追記:
写真の40円と格安の商品は、秋葉原デパート シオヤ無線電機商会で購入しましたが、残念ながら2023年8月で閉店となりました。

2023年7月24日月曜日

SmileDecoder4808を使ったTaurusのDCC化

 今回は、久しぶりに海外製品の加工です。

ÖBB(オーストラリア)のTaurus(Fleischmann製)にDCCデコーダを搭載します。



この製品の箱には、「NEM」と書かれたマークがあります。NEM651(6ピン)のデコーダが使える表示です。通常はDigitrax DZ126inを使いますが、現在5千円ほどとかなりの値上げとなっています。nagodenさんのSmileDecoder4808が使えればおよそ半額でDCC化ができます。


SmileDecoder 4808はこちらです。


コネクタ脇の端子(両側の2端子を除く6端子)がNEM651の順番になっています。


早速ボディを外します。



NEMコネクタ部分には、ダミー基板が装着されています。


ダミー基板を抜くと6ピンソケットが出てきます。



SmileDecoderを置いて、寸法を確認します。外周が車両の基板にあたりますが、高さは問題なさそうです。


SmileDecoderに6ピンコネクタは未実装なので、1.27mmピッチ6Pのポストピンを半田付けします。


今回はストレートですのでハンダだけで止まっています。取り付けの時には、基板の向きに注意してください。


車体側の配線に当たりやすいので、カプトンテープで巻きます。


ほぼピッタリ収まりました。


ボディを戻す前に、デコーダの機能を確認します。残念ながら、低速時に止まりやすいことがわかりました。


そこで、デコーダーにキープアライブ(トマラン)コンデンサを追加します。今回準備したのは47uF(16V品)です。

コンデンサを収納していたテープをカットし、ここに配線を追加した部品を戻し、絶縁材として使います。配線の先は先ほどのデコーダコネクタの一番外側(V+,GND)につなぎます。再度試走をしながら調整です。


今回は、サウンドは未搭載ですが、重連なども考慮してスピードメータ車両で最高速度を200kmに合わせて完成です。



2023年7月21日金曜日

EC-typeCとPetitDecoderを使った500系新幹線DCCサウンド化

 本日はこちら、KATOのロングセラー 500系新幹線のDCCサウンド化を行います。

今回は、新たなExpBorad、EC-typeC(コンパクトタイプ)を使ってDCCサウンドデコーダ(Loksound5 MICRO)を搭載します。


EC-typeCは簡単にいうと、EXP-NANO2のNEXT18版です。KATO室内灯ユニットをこのExpBoradに置き換えて、DCCデコーダを下側にぶら下げます。もちろん、今回のLocksound5 MICRO以外に、SmileSoundDecoder-MINIやSmileDecoder4808にも対応可能です。今回は使いませんが、トマランコンデンサ用の部品(抵抗、ダイオード)も準備済みです。


動力ユニットはこのグリーン車です。2023年現在、500系はDCCフレンドリではありません。モーターはより大型のGM-5モーターで、室内側からモーター配線を取り出します。


モーター端子と車体集電板の間にカプトンテープを挟み、固定パーツを戻します。からなずテスターできちんと絶縁されていることを確認してください。


デコーダーへの給電はKATO室内灯ユニット用の集電板を使います。EC-typeCをはんだ付けするために先端を内側に水平になるように90°曲げておきます。


EC-typeCを薄めに仕上げる場合は、定規のようなメモリ位置でカットし、そのカット面に合わせて室内灯LEDを取り付けます。今回は車体の設計に合わせて1mmの位置でカットしました。カットした後に、電球色LEDを基板端にはんだ付けします。また、電流制限抵抗(R2,R3は並列)は1.5kΩを使いました。


さきほどのモーター配線をM+,M-に繋げ、テスト用デコーダを使って走行を確認します。写真を撮り忘れましたが、デコーダーの下の造形はカットする必要がありました。


テストデコーダをLokSound5 Microに差し替えます。


スピーカーは反対側、ESUデコーダーに添付されたスピーカーとエンクロージャを使います。低い方の枠をイスに接着します。集電板が近くにありますので、内側から木工ボンドを流し込むようにして隙間を埋めながら付けました。


ライトパイプの固定爪があると上側に配線を通せないので、カットしておきます。ライトパイプの上面で反対側のEC-typeCに配線し、スピーカーを枠にボンドで接着します。


配線を、EC-typeCのS+,S-のパッドにはんだ付けします。この状態で、サウンド書き込みとテストを行いました。


車体の屋根を外して、スピーカーを逃げる穴を開けました。


車体をはめて、ぶつかりがないか確認します。


室内灯の光具合も確認、ほぼすべての客室窓に光が廻っています。


屋根裏には集電改良および牽引力確保のために鉛のウエイトを追加いました。86g=>93gと約1割増強です。


屋根の間のウエイトを挟んで戻し、これでM車は完成です。


なお、M車以外に2両グリーン車がありますので、こちらの室内灯も同じ電球色LEDを使った自作基板に置き換えました。(もちろん、KATO純正品でもOKです)

残りは先頭車です。連結面のボデイと下回りの間にギターピックを差し込んで溝をひろげます。ピックの先端が溝から外れると傷になる可能性があるので慎重に行います。


製品のヘッドライトユニットを取り出します。今回は以前開発したPetitDecoder-KOを使います。アドレス500をパソコンで書き込んだ後コネクタ部をカットし、LEDと集電端子をはんだ付けします。なお、ヘッドライトのLEDは電球色、光を拡散するタイプ(レンズが乳白色)のものを選びました。




交換した状態です。


仮にボディを乗せて、明るく光ることを確認します。たしかに明るくはなりましたが、ライトカバーからLEDの発光素子が直接見えるので、横から見ると眩しいですね。


テールライトも確認すると、やはりヘッドライトの方に光漏れがあるようです。




テールライトの赤いライトパイプには遮光テープを貼りました。また、ヘッドライトLEDの上面半分にもテープを貼り付けて眩しく光るのを遮りました。この後、KATO標準室内灯を組み込んで、元に戻します。


これで、光漏れも改善しました。


試走をして問題なければ完成です!

2023年7月9日日曜日

SmileSound SEをキハ30に搭載する

 nagodenさんから届いた新いサウンドデコーダ(SmileSound SE)の試作品を早速使ってみました。


今回搭載する車両はこちらキハ30になります。実はこの車両、以前EC-Slimを搭載しておりましてデコーダを外したまましばらく休車状態でした。両運転台で室内長が短めで、EC-Slimのデコーダ内側取り付けになり、室内灯LEDの一部がデコーダ基板で隠れてしまう状態でした。

LEDを基板から浮かせていましたが、今回は一枚基板でサウンドデコーダと室内灯を一体化したSmileSound SEを使ってデコーダの影を無くします。


まず、床下の基板を以前改造したKATO基板(改造品)からEC-typeF(Bセット)に換えておきます。EC-typeF(B1セット)は、このように天井裏などにデコーダをつけた場合の中継基板になります。


LEDはKATO基板から移植しました。(行き先幕があるので白色LEDでした)


基板を戻して、モータ配線、ライト配線だけ引き出します。なお、ライトのコモン(電源)は、EC-typeF(Bセット)の基板上に回路がありますので、ライト配線は2本だけですみます。


 SmileSound SEに添付されたタンタルコンデンサを取り付けます。部品と基板両方に予備ハンダを付けると作業しやすいでしょう。


基板の耳たぶはDCCの給電端子です。燐青銅板でちょっと延ばします。


車体に室内灯用の集電板をとりつけ、この端子と壁の間にさきほど加工した燐青銅板を差し込みます。


今回、スピーカーは14x11mmのもの(EC-typeF-Sセット付属)を使いました。エンクロージャを接着した後、SmileSound SEのスピーカー端子に半田付けします。


プリント基板を差し込んだ後、モーター、ヘッドライト、テールライト配線を行い機能を確認しておきます。


一度屋根を外して、屋根裏のパーツをカットしておきます。配線が窓から見えにくいように整えておきます。


最後に、屋根を取り付けて完成です!