Hakone

1. うみ電☆やま電向けシステムの開発

 「うみ電☆やま電」は、メンバーが箱根登山電車を忠実に再現したモジュールレイアウトを持ち寄り運転を行います。2026年国際鉄道模型コンベンションでは、箱根登山電車全線をDCCを使って運転しました。

制御システムはこのようになっています。


2. 運転方法

DCCコマンドステーションのスロットルは各車両の最高速度を変化させるもので、駅の状況に応じて自動的に徐行・停止したり、終点やスイッチバック駅では走行方向を反転します。

 

3.開発の背景

 鉄道模型用自動運転コントローラは数多く世の中に存在しますが、モジュールの組み換えに柔軟に対応できるシステムは少ないと思います。今回は単線路線に限定し途中駅は2ホーム(スイッチバックあり/なし)までとし地上設備コントローラを設計しています。また、DCCで操作可能なパワーパック(DCCデコーダ)を独立して準備、アナログ車両を運転できるようにしています。

 
※各種Wifi Slottleを利用することも可能ですが、展示会場など人が集中する場所では電波環境が悪化します。

4.LDUY (LayoutDecoder-UY)とロジックテーブル

LDUYは、それぞれの駅モジュールに組み込む地上設備用コントローラです。

画像の説明

主な仕様

・装置電源 DC12~15V もしくは DCC (15V電源を推奨)

・走行用電源 2点(デュアルキャブ、MagicBoxを推奨)

 ・センサー入力 4点
 CDSセンサ(感度調整機能付き)を端子台に取り付けます

・電動ポイント出力 4点(CV値によって、モーメント出力もしくはステータス出力を選択)

・信号出力(MagicBox用) 4状態x2ch

ソフトウエアは、ロジックテーブルによるバージョンとすれ違い駅(スイッチバックを含む)専用のバージョン2つが存在します。

まずはロジックテーブルを説明します。最大15種類の状態(step)を定義し、センサによる車両検知で状態遷移を行います。

強羅行きの設計はこちらです。到着ホーム入線後に一度外に出てその後出発ホームに入線、発車します。 これらは、専用エクセルファイルに投入することで、CV値を計算します。

 画像の説明

 また、箱根湯本駅についても同様にエクセルファイルでデータを作成しています。自動運転で入線するホーム以外は、入れ替えを楽しむために通常のパワーパックで運転できる予定です。

 ※スイッチ4の検出はCV14を0以外に設定するとそのステップへジャンプする

 なお、これらの設定は、DCCコマンドステーションを使ってCV値として読み書きすることも可能です。 

5.中間駅のLDUY (LayoutDecoder-UY)の動き

 中間駅では両方から同時に入線するケースがあるなどロジックテーブルでは定義しきれず、専用プログラムを準備しました。以下はスイッチバックモードにしたときの動きです。

 

 通常は待ち合わせありのすれ違い運転ですが、折り返し運転(青スイッチ)や待ち合わせなしの動作(緑スイッチ)に設定することも可能です。

6.CDSセンサ

LayoutDecoder-UYの車両検知は、さまざまなセンサを使うことができます。以下は、従来システムで利用していたCDS(暗抵抗1MΩ品)を入力するためのアダプタです。

 

調整方法:
・一番右(時計回り)に回すと、強制ON(LED点灯)になることを確認します
・次に一番左(半時計回り)に回して、ふたたびLEDが点灯することを確認します
・車両がない状態でLEDが消灯する位置までゆっくり右に回します
・手をかざして、LEDが点灯することを確認します
   R2を4.7kΩから10kΩに変更し、よりくらい環境でも使えるように変更中です。

なお、CDSは照明が車両にさえぎられることで検知しますので、トンネル内など暗闇になるところでは使いにくいです。その場合には光電センサ(秋月のペーパーセンサ)を使うことも買網です。本基板は不要ですので、3線式インターフェス(電源、GND、オープンドレイン入力)をLayoutDecoderに直結できます。

7. MagicBox

 DCCコマンドステーションで動かすパワーパック(アナログ車両用)です。LayoutDecoder-UYと組み合わせることで駅構内、駅モジュール間の運転を自動化します。

 画像の説明


・ステータス(信号状態)入力 4状態x2ch
  LDUYからの信号入力、鉄道の運転士が確認する信号のイメージとは少し異なります
・出力 走行用電源(PWM制御) 1点
・センサ入力 1ch(Ver 5以降)
  早川橋梁などの徐行の制御で使います。

運転機能についての説明:

① DCCコマンドステーション(もしくはWifiスロットル)にて速度を変える
 ただし、
 通常運転時は、MagicBox内の最高運転速度で抑えられる。
 徐行運転時(信号が黄色)は、徐行運転速度で抑えられる。
 停止信号(赤信号)がどちらかから出されていれば、速度0に戻す。
 
 ※最高運転速度、徐行運転速度は、それぞれ初期値 80%,40%に設定されています。
   Magic BoxごとにCV5,CV2にて設定可能ですが、
  本体スイッチ(青、緑)の長押しでワンタッチ設定も可能です。

② LDUYから出発信号が出されれば、その駅の反対方向にレール極性を切り替える。
  また、方向を切り替えた直後は速度を0に落とす。

表にまとめますとこのような動きになります。(Ver 2.05以降)

 画像の説明

※ こちらで説明する運転方向は、DCCコマンドステーションで"FWD"設定にした場合です。(REVの場合は逆走になります)

8 .TM-Slim

 PECOポイント(エレクトロフログ)やギャップ給電切り替え機能を搭載した、スローアクションポイントマシンです。 

 画像の説明

製作記事はこちらです。
説明書はこちらです。

8. TRAINO-Link

システムのイメージ図です。シリアル通信 19200bpsをリング状に回して、すべてのLDUYからデータを受信する予定です。

 

監視画面はPCにて作成予定です。監視盤のテスト用リンクです。(自分用)

http://192.168.10.111:5000/

 

9. 箱根登山鉄道のDCCサウンド搭載

現在はアナログ運転ですが、将来DCCサウンド車両がつかえればとおもい、TOMIX 箱根登山鉄道アレグラ号(3000形)にSmileSound K3066を搭載しました。窓からすっきり見せるために屋根裏にDCCサウンドデコーダを搭載しています。製作記事はこちらです。 画像の説明

10.JAM 2027に向けて

来年は、 箱根湯本駅構内の入れ替えとそこから先の自動運転を手掛けていく予定です。


 箱根湯本駅から入生田検車区入口までは自動運転で、その先の入れ替えや小田原方面は別スロットルでの運転です。